【聖マリアンナ医科大学】推薦入試の小論文対策|2025・2026年度の過去問分析+模範解答
聖マリアンナ医科大学の学校推薦型選抜では、小論文が重要な評価材料の一つとなっています。 大学は小論文について、文章の読解力・表現力・論理的思考力を重視すると明記しています。また、求める学生像として「課題の背景を理解し、思考過程を明確にできる」「他者の立場に配慮できる」「他者の意見に耳を傾ける」「グローバルな視点を持つ」といった資質を掲げています。 マリアンナ大学 そこで今回は、2025年度・2026年度の推薦入試小論文を取り上げ、出題傾向と答案の作り方を考えていきます。 ※以下の模範解答は大学が公表した解答ではありません。過去の出題内容や大学の教育方針を踏まえて作成したオリジナルの解答例です。 2025年度「罪」と「恥」から日本人と欧米人の違いを考える 2025年度(令和7年度)は、米国の文化人類学者ルース・ベネディクトが、西洋を「罪」の文化、日本を「恥」の文化と規定したことを踏まえ、 「『罪』と『恥』という言葉を用いて、社会との関わり方における日本人と欧米人の違いについて、自分の考えを800~1,000字で述べる」 という内容でした。 大学が公表した出題意図も非常に重要です。 受験生が日本人と外国人の違いをどのように認識しているかを論じさせることで、 「出自の多様性について理解の程度をみる」とされています。 マリアンナ大学 つまり、この問題で重要なのは「日本人はこう、欧米人はこう」と単純に分類することではありません。 文化的背景によって価値観が異なることを理解したうえで、その違いを尊重できるか。 ここまで考えられると、聖マリアンナ医科大学が求める人物像にもつながってきます。 答案の組み立て方 「日本では周囲との関係を意識した『恥』が行動を抑制する傾向がある」→「欧米では自らの内面的な規範に反したことを『罪』として捉える考え方がある」→「ただし、日本人・欧米人と一括りにすることはできない」→「文化的背景の異なる人を理解する姿勢が重要」という流れで書くとまとめやすいでしょう。 2025年度・模範解答例 日本と欧米では、社会との関わり方や、自らの行為に対する責任の感じ方に違いがあると考える。その違いを説明する一つの考え方が、「罪」と「恥」である。 日本では、自分の行動が周囲からどのように見られているかを意識する傾向が比較的強い。例えば、自分の行動によって他人に迷惑をかけたり、集団の秩序を乱したりした場合、周囲から非難されることを「恥ずかしい」と感じることがある。これは、他者との調和や集団の中での人間関係を重視してきた日本社会と関係していると考えられる。 一方、欧米では、キリスト教などの宗教や思想の影響を受け、自らの良心や内面的な規範に反したことを「罪」と捉える考え方がある。誰かに見られているかどうかだけではなく、自分自身の信念に照らして正しい行動であったかを判断するのである。この点では、周囲との関係を強く意識する「恥」と、自分自身の内面を意識する「罪」とでは、行動を判断する基準に違いがあると考えられる。 しかし、現代の日本人全員が「恥」を重視し、欧米人全員が「罪」を重視していると考えることは適切ではない。グローバル化によって異なる文化や価値観が交流するようになり、個人による考え方の違いも大きくなっているからである。重要なのは、国籍によって相手の考え方を決めつけることではなく、その人がどのような文化や環境の中で生きてきたのかを理解しようとすることである。 これは医療においても重要である。患者にはそれぞれ異なる文化、宗教、家庭環境、価値観がある。医師が自分自身の価値観だけで判断すれば、患者が本当に望んでいる医療を理解できない可能性がある。相手の考えに耳を傾け、その背景を理解したうえで信頼関係を築く必要がある。 したがって、「罪」と「恥」の違いを知ることは、日本と欧米を分類するためではなく、人間の価値観が文化や社会によって異なり得ることを理解するために重要である。異なる価値観を尊重し、一人ひとりと向き合う姿勢を持つことが、国際化する社会において必要だと考える。 2026年度「大学に一般教養は必要か」 2026年度(令和8年度)は、 「大学教育において一般教養科目は不要であり、専門科目に重点を置くべきである」という意見について、賛成か反対かを理由とともに800~1,000字で論じる という問題でした。 2025年度とは全く違うテーマに見えます。 しかし、聖マリアンナ医科大学の教育方針を見ると、このテーマを考えるヒントがあります。 同大学は専門的な医学教育だけではなく、幅広い教養・知識・視野を身につけ、医療人として豊かな人間性や感性を形成するため、人文社会系・自然科学系の選択科目を配置していると説明しています。 マリアンナ大学 したがって、この問題では単純に「一般教養は必要です」と主張するだけでは十分ではありません。 「なぜ専門職である医師に専門外の知識が必要なのか」まで考えることがポイントになります。 答案の組み立て方 「一般教養は必要」という立場を示す→「医療は医学だけでは完結しない」→「倫理・法律・心理・社会など幅広い視点が必要」→「専門教育を充実させるべきという反対意見にも合理性がある」→「専門性と教養の両方が必要」と展開すると、バランスの取れた答案になります。 2026年度・模範解答例 私は、「大学教育において一般教養科目は不要であり、専門科目に重点を置くべきである」という意見には反対である。専門知識を深く学ぶことは大学教育の重要な目的であるが、その知識を社会の中で適切に活用するためには幅広い教養も必要だからである。 第一に、現代社会が抱える問題は一つの専門分野だけでは解決できないものが多い。医療を例にすれば、病気を診断し治療する医学的知識だけでなく、患者の心理、家庭環境、経済状況、文化、宗教などについて考える必要がある。また、終末期医療や生殖医療、人工知能の利用などについて判断する場合には、医学だけでなく倫理、法律、哲学などの視点も必要になる。このような幅広い視点を得るために一般教養には大きな意味がある。 第二に、一般教養を学ぶことは、自分とは異なる考え方を理解することにつながる。医師はさまざまな年齢や職業、文化的背景を持つ患者と接する。自分の価値観だけで相手を判断するのではなく、患者がなぜそのように考えるのかを理解しようとする姿勢が必要である。歴史、文学、哲学、社会学などを学ぶことは、人間や社会を多角的に見る力を育てることにつながるだろう。 確かに、医学のような専門分野では学ばなければならない知識が非常に多いため、一般教養を減らして専門教育に時間を使うべきだという意見にも合理性がある。医学の進歩に伴って医師に求められる知識は増え続けており、専門教育を充実させる必要性は高い。 しかし、専門知識が豊富であるだけで良い医師になれるとは限らない。患者は単なる病気ではなく、それぞれの人生や価値観を持った一人の人間だからである。専門知識を適切に使うためにも、人間や社会について幅広く考える力が必要になる。 したがって、大学教育では専門教育と一般教養のどちらか一方を選ぶのではなく、両者を結び付けることが重要である。専門性と幅広い教養を兼ね備えることで、初めて社会の複雑な問題に向き合うことのできる専門家になれると考える。 2年間の問題を並べると見えてくるもの 2025年度は 「罪と恥、日本と欧米」。 2026年度は**「一般教養と専門教育」**。 題材そのものは違います。 しかし、私はこの2題には共通点があると考えています。 それは、 「自分とは異なる価値観を理解したうえで、自分の考えを論理的に示せるか」 という点です。 2025年度なら、日本と欧米を単純に優劣で判断しない。 2026年度なら、一般教養を支持する場合でも「専門科目を増やした方がいい」という反対側の主張にも理由があることを認める。 つまり、 自分の意見を主張する力+反対側の立場を理解する力 の両方が求められていると考えられます。 これは大学のアドミッション・ポリシーともよく一致します。 現在の聖マリアンナ医科大学は、「他者の立場に配慮する」「他者の意見に耳を傾ける」「グローバルな視点で活動する」といった人物像を掲げています。小論文についても、読解力・表現力に加えて論理的思考力を重視しています。 マリアンナ大学 聖マリアンナの小論文で「医学につなげる」のは有効? 私は有効だと考えます。 ただし、何でも強引に医学につなげるのは避けるべきでしょう。 「私は医師になりたい。だから○○は重要だ」と書くだけでは、設問に答えたことにはなりません。 まずテーマそのものについて十分に論じる。 その後、 「では、この問題を医療の世界で考えるとどうなるか」 と一段深く考えるのがおすすめです。 聖マリアンナ医科大学の建学の理念では、医学は人体だけではなく「人格体としての人間全体」を対象とするという考え方が示されています。また、専門的な医学知識だけでなく、豊かな人間性や幅広い教養を持つ医師の育成を重視しています。 ここは聖マリアンナ対策を考えるうえで重要なポイントだと思います。 2027年度推薦に向けて練習しておきたいテーマ 過去2年間だけで次年度の問題を断定することはできません。 しかし、同じような「答えが一つではない問題」への対応力を鍛えるなら、 AIと医療/個人の自由と社会の利益/科学技術と倫理/多様性と共生/患者の自己決定と医師の判断/SNSとコミュニケーション/医療の公平性/専門家と一般市民の関係 などについて、800~1,000字で自分の意見を書く練習をしておくとよいでしょう。 特に、 ①結論 → ②理由 → ③具体例 → ④反対意見 → ⑤反対意見を踏まえた自分の考え → ⑥結論 という型を身につけておくと、初めて見るテーマにも対応しやすくなります。 まとめ――聖マリアンナは「何を考えているか」を見ている 聖マリアンナ医科大学は、キリスト教的人類愛に基づく「生命の尊厳」を建学の精神の中心に置いています。大学が目指しているのは、専門知識を持っているだけではなく、人の心の痛みが分かる豊かな人間性を備えた医師の育成です。 マリアンナ大学、ほかに 1 件 2025年度の「罪と恥」。 2026年度の「一般教養と専門教育」。 この2題を単なる時事問題として勉強するのではなく、 「異なる立場を理解する」 →「自分の考えを持つ」 →「根拠を示して論理的に説明する」 →「人間・社会・医療まで視野を広げる」 という思考の練習をすることが、聖マリアンナ医科大学の推薦小論文対策になるのではないでしょうか。 そして、この考え方は小論文だけでなく、面接対策にもつながっていくはずです。 続きをみる














